私の考えでは英語力とは”変換力”です。ここで一つ英作文の問題を出してみましょう。
「駅まで歩いて5分かかった。」
このフレーズを英語に翻訳してみてください。
I walked to the station for five minutes.
私の体感ではこのように主語をIにする生徒が60%くらいです。
It took five minutes for me to walk to the station.
少し英語が得意な生徒はこのように主語をItにして書く生徒もいます。
Five minutes’ walk took me to the station.
このようにFive minutes’ walkを主語にできる生徒は3%くらいだと思います。
上の3つの英文はすべて正解です。
ここで重要なのは英語の答えは一つではないということです。
他の教科は基本的には答えは一つです。
数学は特にその典型で、むしろ答えが一つであることが教科の特性です。
それが数学の美しさだと思います。
しかし、逆に英語は答えが一つでないからこそ面白いのです。
ほとんどの英語の選択問題には「次の中から最も適切なものを選びなさい」と書いてあります。
あくまでその選択肢の中の答えの一例なだけで、それが”答え”ではないのです。
こういった教科毎の性質の違いがあるにもかかわらず、多くの生徒は問題集を解き、答えをみて納得するという同じ勉強方法を行ってしまいます。
もちろん私も授業の際に問題集を使います。
ただし私は英語を教える際には答えを見て教えることはありません。
生徒がどのように考えその答えを導いたかを最重要視します。
問題集に付属している答えは正解の一例でしかないのに、それを暗記してしまう事こそは英語力の成長を妨げてしまうのです。
英語科主任 予備校室長 國分
大田区立大森第7中学校、都立小山台高校、慶應義塾大学を卒業後、某有名企業に入社。その後、教育を志し田進ゼミに転職。自他ともに認める英文法オタクで、暇さえあれば文法の起源を調べている。趣味サッカー。